黒猫くーすけの資本家への道

黒猫くーすけが、猫らしい生活を取り戻すため資本家を目指しています。

「知足(ちそく)」を経営理念に据える会社、6694ズーム

くーすけです。
前回の記事で、3つの成長株を新たに購入したと書きました。
そのうち、6694ズームについて、少しコメントを。

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ズームの第3次中期経営計画から

6694ズームですが、オンライン会議システムのzoomとは違います。
音楽用電子機器のファブレスメーカーです。
海外売上高比率が91%と、グローバル展開済みで、ブランド力も相当あるそうです(私は知りませんでしたが)。
PER8倍台、PBR1.2倍台、配当利回り3%超と、今時珍しい割安株です。
今後も安定的な成長が見込まれる銘柄として、今回超長期投資部隊に組み入れました。

同社について、私が最も心を動かされたのは、第3次中期経営計画に、経営理念として「知足(ちそく)」を据えたことです。
今まで、いろんな会社の経営理念を見てきました。
言葉だけが先行しているようなもの、形骸化しているもの、具体性を欠く抽象的なものも多いように思いますが、「知足」を掲げる企業は今まで見たことがありません。
「知足」とは、仏教用語で、「足るを知る」こと、「みずからの分(ぶん)をわきまえて、それ以上のものを求めないこと。分相応のところで満足すること」を意味します。

ただ「知足へ」という理念は、会社として目指すには観念的すぎて若干の違和感があるかも知れません。しかし、法律上、人が自然人として人格を持つのと同様、会社も、法律上、法人格という権利と義務に関する人格を与えられています。従って会社の振る舞いについても自ずと規範があるべきで、自然人と同様、法律を守ってさえいればよいというわけではありません。人に家族、友人や知人がいるのと同様に、法人にも顧客、仕入れ先や販売先があります。人が知足を実践して悟りの境地に至ることが出来るのであれば、法人も知足を実践して不滅のブランドに至ることが出来るはずです。
そこで会社として知足を実践し、品格を高めるための「経営規範5か条」を定めることとします。これに合わせて商品開発5か条、行動規範5か条についても若干の見直しを行い、解り易くします。
(㈱ズーム 第3次中期経営計画 15ページから引用)

引用した部分以外にも、読み応えのある文章があるのですが、特にこの部分に、私は大いに共感しました。
(私は宗教的信仰心を有していませんが、「知足」という言葉の持つ普遍的な力は信じています。この背景には、精神的に苦しんでいた私がこの言葉(正確には、禅の真髄を示す「吾唯足知」)に救われた個人的な経験があります。機会があれば、後日、ご紹介します。)

同社は、具体的な指針として「軍需産業に関わらない」「原子力産業に関わらない」「音楽によって世界の中間層の生活の質を上げる」といったことを定めています。
こういう会社には、大きく成長してもらい、よりよい世界づくりに貢献してもらいたいと思います。

※この記事は私の個人的な見解であり、投資は自己責任でお願いします。