黒猫くーすけの資本家への道

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㈱ズームが、Zoomを訴えた

くーすけです。
今日は、知的財産ネタです。
9月17日、私の持ち株である㈱ズームが、Web会議システムの「Zoom」の日本代理店の一つ、NECネッツエスアイを相手取り、商標権侵害行為の差止請求訴訟を提起したとリリースしました。

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登録商標第4940899号「ZOOM」(権利者:㈱ズーム)
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ビデオ会議システムのZOOMのロゴ

実は私、知的財産にはちょっと詳しいんです、黒猫のくせに。
(なぜかって? それはナイショ)
思い入れのある保有銘柄なのと、知財マインドが刺激されたのとで、今回、採り上げます。

知財を知らなくても株式投資に影響はないでしょう。
しかし、企業の資産の無形資産化が進み、その中核が知的財産になっているのが現状です。
ビジネスに携わるうえで、これからの時代は知的財産と無縁ではいられないと思います。

商標権には、「指定商品又は指定役務」というものがあります。
その商標権の及ぶ範囲を示すもので、J-Platpatというサイト(特許庁の外郭団体(INPIT)が運営)で調べられます。
ズーム社の「ZOOM」の商標権の指定商品は、以下の2区分です。
区分9「理化学機械器具,測定機械器具,・・・電子計算機用プログラム,・・・」
区分15「調律機,楽器,演奏補助品,音さ」
つまりは、「理化学機械器具、・・・」や「調律機」などにしか商標権は及びません。
ただ、区分9の中に「電子計算機用プログラム」とあり、Web会議用システムのアプリもこれに含まれる可能性があります。
この点だけを見れば、ズーム社の主張には理由があるように思われます。

この手の話で、知財界隈でよく引き合いに出されるのが、Apple社の「iPhone」が、日本でその名称を使うために、ドアホンやインターホンのアイホン㈱(類似する登録商標の権利者)に、ライセンス料を支払っているという話です。年間1億円とも言われています。
しかも、商標権は、特許権意匠権と違い、更新を続ける限り、半永久的に存続させることができます。
Apple社は、半永久的にライセンス料を支払わないといけないのです。
知的財産権は、強いですね。

今回、ズーム社は損害賠償を請求していません。
あくまで自分たちの商標が法律の保護を受けることを明確にしたい意向です。
Web会議システムの「Zoom」は、コロナで日本でも随分と定着したと思いますが、近い将来、その名前を変える日が来るかもしれませんね。
あなたの扱っているその商品、他人の権利を踏んでいませんか?