黒猫くーすけの資本家への道

黒猫くーすけが、猫らしい生活を取り戻すため資本家を目指しています。

売上の意味(その1)

くーすけです。
先月末で、ほぼ購入したい銘柄は買いました。
今後の投資活動は、これ以上は保有銘柄を増やさず、買い増しするくらいになります。
あとは、いかに保有を続けるか、あるいは、いかに売っていくか。
書くことが減ってしまいます。
その代わりに、これからは投資とは関係の薄いことも少しは書いていこうと思います。
今回は、その第一弾です。

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「行こう、どこにもなかった方法で」寺尾玄著

私は、もともと歴史小説が好きでした、特に司馬遼太郎もの。
その現代版として、経営者の自叙伝のようなものを読むのも好きです。
いろいろな経営者の著書を読んできました。
その中で印象深いものの一つで、紹介したいのが、6612バルミューダの創業者・寺尾玄氏の「行こう、どこにもなかった方法で」です。

最近とある出来事があり、ふとこの本のことを思い出し、考えさせられることがありました。
この本で、もっとも印象に残る部分です。少し長いですが引用させていただきます。

(高価格帯のコンピュータ周辺機器や照明器具が商品ラインナップだったバルミューダに、リーマンショックによる大不況が襲いかかった2009年1月のこと)
そして注文が止まった。この状況で、銀行から新たに借り入れることはできない。この会社は、あと何か月持つのだろう。三か月か、長くて半年か。おそらく倒産するだろう。
泣きたいような気分で車に乗り込み、例のファミリーレストランの前を通る。未曽有の金融危機のはずなのに、中では、お客さんたちが料理が運ばれてくるのを待っていた。そう、今日もたくさんの人たちが暮らしているのだ。
シャンプーも買うし、靴下も買う。自分を含めて、日本中で日々の消費活動は続いている。そんな中、自分の会社は倒産しようとしていた。
あの時、私は長年の疑問の答えが、やっと分かった気がした。自分たちの製品はなぜ売れないのか、これまで嫌というほど考えてきた。高いからだと思っていた。しかし、やっと気がついた。製品が売れないのは、高かったからではない。必要なかったからなのだ。
悲しかった。あんなにも一生懸命になって作ってきた製品や会社は、必要とされていなかったのだ。私たちの製品が人の役に立っているかと言えば、今の結果を見れば明らかだ。結局、自分勝手だったのだ。
(出典)「行こう、どこにもなかった方法で」(寺尾玄著)

同じ時間を生きているのに、ファミレスで食事する余裕のある人たちと、追い詰められた寺尾氏とのコントラストが鮮やかで、読んだときにとても印象に残りました。

2021年の日本は、コロナ禍にあります。
当時の寺尾氏と同じように、苦難のどん底にある人達も多いはず。
実際に、私の周りにも、売り上げが激減し、途方に暮れている人がいます。
残念ながら、私一人の力では、どうしてあげることもできない。

(次に続く)